認知症は気づかないところで進んでいる。

エコロジーオンラインというNPO法人を立ち上げて17年。自分はずっとSOHOの環境で仕事をしてきました。母が縫製の内職のためにつくったプレハブや仕事部屋をオフィスに、世界の仲間とインターネットで連絡をとりあい、地球環境問題の情報発信をする仕事です。

そういう仕事場ですから出張に出る時以外は、いつも母が隣にいる環境での仕事です。そんな母がここ1年くらい、自分のオフィスから外部に出入りをするようになります。これまでは居間にある縁側から出入りしていた母が自分のオフィスから外に出たり、夕方に仕事をしていると扉をあけ、「うわ、いたの!」とわざとらしく驚きます。

うちの母は、大きく話を盛り、大げさなアクションをして、その場を盛り上げるのが特徴です。高齢の割には若い人たちに負けずに声をかけるようなタイプです。

だから今回も、わざわざ自分のオフィスに出入りし、自分にちょっかいを出しているのだと思っていました。ところがそれが認知症の初期症状だったようなのです。

2017-02-10-12-59-01

認知症はそれぞれの個性の先にある

現在の母は認知症の進行によって他人に対する配慮が欠落し始めました。まわりの人たちに必要以上に配慮をする母の姿は見られなくなり、そのときの思いで直接的な行動や発言をするようになりました。その初期症状として仕事をしている自分のことが目に入らずオフィスに出入りするようになり、夕方に仕事場に電気がついていても息子が仕事をしていることにつながらなくなったのではないかと思います。こうして彼女が本当にビックリしていたのだと気づいたのです。

認知症だからといって何かが大きく変化するわけではありません。母の行動はこれまでと見た目はあまり変わりません。短い時間の会話を共有するだけなら認知症だと気づかれないかもしれません。ただ、短期記憶が失われるために、順序だった行動ができなくなり、いつも何かを探し、思わぬ行動をとり、精神的に混乱してしまうのです。子どもが遊んだ積み木をほったらかしにして滑り台に興じてしまう。あとになって片づけるのを忘れて怒られてしまう。そんな感じのことが日々起きてきます。

でも、認知症になったとしても、そこにはこれまで通りの母がいる。近くにいてその人たちの行動を見守れるのは、医者でも、看護師でも、ヘルパーでもありません。ちょっとした行動の変化に気づけるかどうかで認知症の進行にも影響が出てきます。残念ながら自分はそのシグナルに気づくことができませんでした。そんな反省も生かして次に来るみなさんに自分の体験を残して行こうと思います。

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